「キャリアブレイク」という言葉を知っていますか?
一時的な離職を肯定的に捉える考え方のことで、少しの間立ち止まることでこれから先のキャリアや自分自身について見つめなおそう、というもの。
昨年12月末に前職を退職して、形式上は「独立」した私も、実は先週まではほぼキャリアブレイク同然の生活を送っていた。
というのも、会社員という束縛から逃れて、これからやりたいことが無限にあふれて出てきて「じゃあまずは何をやろう?」と考えたときに、何から始めるべきなのか分からなくなってしまっていたからだ。
例えるならば、「気になる男の子はたくさんいるけれど、どうアプローチを仕掛けるべきか、真っ先に誰に思いを伝えるべきなのか……。そもそも私の好きな人って誰なの!?!?」状態になっている、少女漫画のヒロインみたいな。いや、それはちょっと違うかな。まあいいや。
とにかく、そんなタイミングで「YOGIRLS(ヨガールズ)」というプログラムに参加してきたので、備忘録としてnoteにまとめてみようと思う。
YOGIRLSとは
「アーユルヴェーダやヨガと瞑想の本格的な実践の場」であり、「身体、マインド、心へのアプローチを通して、内側から輝く本来の自分に戻る」と唄うこのプログラムは、大分の別府・鉄輪エリアに最短3日間滞在し、自分と向き合い、理解することが目的なのだそう。
YOGIRLSを知ったのは、前職で編集として携わっていた媒体での記事を読んだのがきっかけだった。代表・沈さんの言葉に当時の私は心から感動して、仕事中にも関わらずボロボロ涙を流してしまった。
詳しくはぜひ記事を一読してほしいところだが、とにかく私は読了後「退職したら、少しのキャリアブレイクとしてこのプログラムに参加しよう」と決意したのだ。
まったくヨガの経験も、アーユルヴェーダの知識もなかったけど。
いや、そもそも「アーユルヴェーダ」という言葉すら知らなかったけど。
沈さんの考えやお人柄に惹かれたのもあって、気が付いたら手取り月給とほとんど同じくらいの(私にとっては)リッチな参加費を、一括で振り込んでいた。
YOGIRLプログラム1日目
私が参加したのは1/17-1/19の3日間。同じ日程で他の参加者がいないとのことで、運よく?マンツーマンで教えてもらうことに。
3日間のスケジュールはこんな感じ。
まずYOGIRLSハウスに到着すると、調理担当のともみさんがすてきな料理を用意してくれた。
YOGIRLSでは、すべて自分の体質に合った食事を用意してくれる。
およそ一か月間くらいに行われるオンラインカウンセリングで、慢性的な身体の不調や、「怒りっぽい」「不安やストレスを感じやすい」など自分の気質について代表の沈さんが丁寧にヒアリングしてくれたのだが、その結果私は「ピッタ(火)」属性が強いとのこと。
なので、ピッタを鎮めて穏やかにするための食材をメインに献立を組んでくれたそう。体質に合っているからか分からないけど、めっちゃくちゃ美味しくて感動した……。
食事の後は、アーユルヴェーダの考え方や毎朝のルーチン、3日間のプログラムを通して学んでほしいこと・目的などの説明を受ける。
そこで繰り返し伝えられたのは、「この3日間は、何よりも“自分自身”と向き合うことを大切にしてほしい」ということ。
普段東京で生活していると、嫌でも耳に入ってくるあらゆるノイズ。それが邪魔をしてしまって、自分の心の声に気づきにくくなる。
だからこそ、そんなノイズが少ない鉄輪では「自分」を主語にして、自分は何をしたいのか? 何を感じたのか? そもそも、自分は何のために生まれてきたのか? 哲学的な質問でも抽象的なことでもいい。
とにかく「自分」を主語にして、この3日間は過ごしてほしい。そう伝えられた。
平日14時から温泉に入る罪悪感
オリエンテーション後、向かったのは鉄輪にある有名な「鉄輪むし湯」さん。
「蒸し湯」とは薬草・石菖(せきしょう)が敷き詰められた石室の中に8~10分ほど閉じ込められ、布一枚まとった状態で横になるサウナ的なやつ。
うっかり寝てしまうと危ないからなのか、店員のおばあちゃんが門番として「8分経過したよー!」「次おねえちゃん入るかい?入り方わかるかい?」など、完全に初見舐めプだった私にも丁寧に教えてくれたのがうれしかった。これが鉄輪の人情というやつか……。
平日ど昼間から、都心を離れてゆっくりした土地で、蒸し湯と温泉を堪能する。そこには私のことを知っている人もいないし、もう一生会うこともない人だらけ。
そんな環境で、ゆっくり自分と向き合うことに集中できた気がした。
どうでもいいけど、石室中に漂う牧草のいい香りを嗅いで、小学校の頃に買っていたウサギの「ぷりちゃん」を思い出して少し泣いた。
「呼吸に時間をかける」ことの大切さ
夕飯前には「呼吸法」を1時間みっちり教えてもらった。
呼吸法と一口に言ってもいろんな種類があるようで、それぞれの名前は性格には覚えていないけれど(ごめんなさい)、ヨガの呼吸法の基本は「鼻から吸って鼻から吐く」ことらしい。
片鼻呼吸(ナーディショーダナ)と呼び、片方の鼻を抑えて8秒間吸う⇒両鼻をつまんで止める⇒もう片方の鼻から、12秒以上かけて吐く……を繰り返す呼吸法だ。
簡単そうに見えて、これが実は難しい。とくに長い時間をかけて息を吐くと、何か違うものが口から出そうになる(汚い)。
しかしやってみると、いかに自分が浅い呼吸をしていたのかが分かる。
いままで「呼吸をする」行為が当たり前だと思っていたけれど、しっかりじっくり時間をかけてすると、こんなにも尊い行為だったんだ。と、改めて呼吸の大切さに気付いた。呼吸、すごい。
そういえば沈さんが、「“呼吸”はあなたの心臓が止まる最期の瞬間まで、ずっとそばにいてくれる唯一のものなのです」と言っていたな。
私が死ぬとき、家族や友人はそばにいないかもしれない。大好きな推しだって活動を休止しているかもしれないし、不死身とされるキャラクターですら版権元の関係で突然姿を消すことだってあるかもしれない。
でも、呼吸は最後の一秒一縷まで寄り添ってくれるんだ……。そう考えると、自分の呼吸を「推し」にせざるを得ないなと思った。
今日から自分の呼吸の「TO(トップオタ)」になろう。そのためにはまず、推し活としての呼吸法をマスターしよう。そんなしょうもない決意をした。
2日目以降の記録は「後編」に続く
※この記事は私のnoteからの転載です